にせんデーズ読んだ

Amazonに予約したつもりがしてなかったというまさにkonozamaな大ポカを経て、ようやく手元にやってきた2000days。早速読んだよ。


うん、あれだ、高橋大輔だった。あまりに率直で自己評価低くてめんどくさい男、高橋大輔だった。
そして何だか自分が子供の頃のことを思い出したのであった。
音楽のテストの時に、練習では完璧に吹けたリコーダーがグダグダになっちゃってな。やってもうたーと思ってたら、先生が「凄いね、よく頑張ったねー!!」と大げさに褒めてきてな。ワシ失敗したことよりも先生のその言葉にショックを受けたわけよ。自分の実力は「頑張ってこの程度」だと思われてたのか?失敗したから同情されてんのか?「おとなしい子(※当時)だから気を遣われてんのか?とかなり悶々としたのね。今にして思えばあれは「結果ではなく努力を褒める」というやつだったんだろうけど、それが効果があるのも時と場合と人によるよなぁ、と大人になった今しみじみと思うのであった。そして子供の頃の俺めんっどくせええええと思うのであった。
そんで、もう一個。生で見た2013年の全日本SPを思い出したのだった。
ワシSPの日、たまアリスタンド席から祈るような思いで見てたんだけど、3A着氷!からの転倒!でうわああああってリアルに頭抱えてしまったぐらいショックだったのね。で演技後は明日のフリーもある!頑張れ!という気持ちでバナータオル振ってた。
で、ワシ座ったままだったんだけど周りは立ちまくってたのね。他選手のファンだった両隣のグループも立って大ちゃーんって叫んでて。それを見て、ああ大輔さんの求心力はスゲエなあと思うと同時に、いや高橋大輔こんなもんじゃねえから!万全の高橋大輔は!こんな!もんじゃ!ねえから!!と叫びたくもなった。その時の相反する感情を、2000daysを読んでまざまざと思い出したのであったよ。

ワシ自身は大輔さんとはこれっぽっちも共通点のない人間だけど、大輔さんのめんどくせえ心の動きはなんとなくわかる気がする。この人、真の意味でプライドくっそ高えぞ。自分が満足しないことを評価されても嬉しくない人だぞ。んで、その満足のハードルはとんでもなく高えぞ。まさに高い橋だぞ。
逆にそういう人だからこそ会心の出来のものを評価されないと凹んで迷走するってのもすげーわかる。俺なんか「誰も褒めてくれないから俺が俺を褒める!うわーゴミの日にちゃんと忘れずにゴミ出した!俺すげええええ!」って感じのレベルの低さだけど、大輔さんはそれができない人だからどんどんめんどくせえことになる、のもわかる。常に点数や順位という「他人の評価」ありきの競技をやってるんだから余計にね。高橋大輔を生きるってのはしんどいことだなあ。

で、そんなしんどくてめんどくせえアレコレを読んでファンが右往左往しても、彼の中では文章にした時点でもう通り過ぎた過去のこと、今現在のまさにリアルタイムな高橋大輔を形作る「過ごした日々」のことなんだよなあ、と妙に清々しく思うよ。物凄いスピードでロングアンドワインディングロードをどんどん先に行っちゃうんだよな。おう!行け行け大輔!心のままに GO!Daisuuke!


手前味噌ではございますが、こちら引退発表時の拙作動画。本を読む前に色々な感想を読んでちょいと怖かったんですが、本を読みきった今はやっぱりこの動画のような気分です。MAKE YOU FREE !