沼落ちプレイバック


先日お友達と話していた中で、「好き」から「推し」への変化や沼落ちについての話題がありました。

私はかれこれ10年以上高橋大輔選手の沼に棲息するピラニアなのですが、沼にはまる以前にも「好き」「ファン」ではあったのです。
認識したのはトリノシーズンの全日本で、その後トリノで演技を見て「この人の演技好き!まあ顔は好みじゃないけど!!」などと今にして思えばちゃんちゃらおかしいことを思っており、その後も試合やアイスショーなど「見られる範囲で」楽しんでいました。当時は勤務時間の都合で夜のTV放送が見られない時もあったのですが、録画して見るという選択肢は全く頭になかったのですよ。いやほんと今にして思うとアホかお前はという感じで胸倉つかんで録画予約スイッチ押させたいんですけどもね。

そんな「好き」の湿地帯で花を愛でていたら、沼に落ちるきっかけが意外なところからやって来ました。2009年のフィンランディア杯です。
前十字靭帯断裂からの復帰を描いたドキュメント番組がNHKで放送され、そのクライマックスがフィンランディア杯の映像でした。

それまで厳しいリハビリの映像や、音信不通の件なども紹介され、そしてクライマックスがこのフィンランディア杯の映像。プログラムはeye 、固唾を飲んで見守る中で繰り広げられるかっちょいーステップ、よし!と思った次の瞬間、フィニッシュの瞬間に倒れ込む高橋大輔ーーー!!!

ヒエッ!ってなったし会場からも悲鳴が上がった、その次の瞬間!こけた勢いからの土下座ポーズで音楽ぴったりにフィニッシュする高橋大輔ェーーー!!!

そのまま上体を起こして正座ポーズで照れ笑いしながら恥ずかしそうに口元をおさえる高橋大輔ーーー!!!かわいいなーーーーーー!!!!!!

会場の悲鳴は一瞬にして笑いに変わったしもちろん俺も笑ってた。そして「あ、この人は大丈夫だ」と確信した。選手として、というよりも人として「大丈夫」という感じ。なんか昔小塚さんが「大ちゃんについて行けば大丈夫」というようなことを言ってた記憶があるけれど、多分その「大丈夫」とあのフィンランディア杯を見た自分の「大丈夫」という感覚は同じものだと思う。

だってさーまさか「選手生命をおびやかす大怪我からの復帰ドキュメント」のクライマックスが、

ハズカシー> _:(´◇`」 ∠):_

ってなってみんなが笑ってるお日様も笑ってる、ってないだろ普通。なんだこの和やかオーラ。なんだこの謎の多幸感。


…そして私は湿地帯の順路を外れ、沼への第一歩を踏み出したのじゃった。(第一部完)


間を置かず第二部開始。さあそれまでよりガチな感じで高橋大輔を追い始めた俺の前についにバンクーバーオリンピックがやってくる。仕事が夕方からだったのでもちろんリアルタイムで見ましたよ。
そして、バンクーバーではSPの二日後がフリー。つまり丸一日おあずけを食らってしまったのです。この一日が、沼への最後の後押しとなったのでした。


もうね辛抱たまらなくなって見たね、見まくったね録画したSPのeyeをね。ひー!とかかっけー!とかやべー!とかたまんねー!とか奇声を発しながらあっちょっと待ってもう一回、いやまだもう一回、もっと見る見るもう一回、とVHSテープの巻き戻しを繰り返して軽く50回以上は見たし下手すりゃ100回いってたかも…しれねえな……


そんな感じであっという間に沼に落ちました。いやーほんと凄い勢いだった。俺は湿地帯で花を愛でていたはずが、一歩踏み出したら底無し沼にドボーンだよ。遥かな尾瀬ェーーー!!!と裏声で叫びながら親指立てて沈んでいったよ。アイルビーバーック……



まあビーバックしたのは他でもない推し本人だったんですけどね!!


いやまさか選手生命の短いフィギュアスケートというジャンルで一人の推しを10年後も「現役として」推せるとか誰が思うよ…しかも今年のNHK杯、「7年ぶり10回目の出場」で「(アイスダンスカテゴリでは)初出場」でもあるというわけのわからなさ。いやー面白いわほんとこの人…めちゃめちゃ面白い…



あ、ちなみにフィンランディア杯の時の推しの見た目の印象は

「ずいぶん眉毛がナチュラルになったなあ」でした。


今見るとぜんっぜんナチュラルじゃねえ細眉なんだけどな!怪我前はどんだけ細眉だったんだって感じだよな!!!だから当時の俺の「顔は好みじゃないけど!」という感想もまあ、仕方ない!仕方ないんだ!!!!!