うどん、餅、ブルース

いきなり例え話から始まるんですが、わし柔らかく煮込んだ具沢山の細いうどんが大好きなんですよ。そんで香川の人は逆にコシのある太いうどんがお好きでございましょう。人の好みはそれぞれ違うので関西風の出汁が好きな人もいれば醤油色の汁が好きな人もいる。


「好み」の話はそれでいいんですが、これが「うどん日本一決定戦」みたいな話になるとまた違ってくる。その審査の基準はどこにあるのか。麺にコシがあることが絶対条件ならそもそも煮込みうどんは審査対象にすら入らない。審査員が全員讃岐うどん原理主義で「煮込みうどんは麺が柔らかいから減点!」とか言われたら煮込みうどん過激派の俺はお茶の間で七味をぶちまけるよ。(あと「汁が醤油色だから減点!」とか言われても以下同文)
審査基準を絞って「讃岐うどん決定戦」がやりたいのかもうちょい柔軟に「全国うどん決定戦」がやりたいのか。最初から「讃岐うどん決定戦」とわかっていればそもそも煮込みうどんはお出ししない。お出汁なだけに、ってやかましいわ。

そこらへんがなー、ほんと難しいんですよ。上記の讃岐うどん原理主義と逆に審査員の好みがバラバラだとしたら、今度は意見がまとまらないので明確な基準を設けなければならない。で、その基準を満たしつつ各々の個性を出してきた珠玉のうどん群(これ夜中に書いてて腹減ってきた)に対して「おいしさ」の上下をつけなきゃならんわけでしょう。これ意見のすり合わせ、ちょー大変じゃね???

ほんで意見をすり合わせるためにミーティング開くわけね。

A「このうどんは柔らかくてコシがないからうどんとは言えないのでは…」
B「いやこれは柔らかいのが正解、煮込んで味が染みているのが煮込みうどんというもの」
一同「なるほどー」


わーどっかで聞いたなこれ!どっかで聞いたなこれ!!まあ高橋大輔の2011-2012シーズンのブルースの話なんですけども!!!

えーとこの話なんですが、なんか「うどんにコシがない」…じゃねえや「動きがリズムと合ってないんじゃね?」って発言して「いや裏拍とるのがブルースとして正しいのでこれでええんや」って別のジャッジに言われたのが日本人ジャッジであるという話が一人歩きしてますけどもね、くだんの日本人ジャッジの人はあくまでジャッジのお仕事についての取材を受けた際に一例として「ミーティングでこういう話題が出て、こんな風に反論が出てジャッジ間で意見のすり合わせをした」という話をしただけっすからね。ぶっちゃけそのミーティングの場にいて「なるほどー」となった一同の中の一人。まあそれも割とトホホな話ではあるんですが、少なくとも問題の頓珍漢な発言の主ではないのでそこんとこ覚えといてください。伝聞が一人歩きする怖さは知っとるじゃろ?同じことしたらあかんよ。

まあわし個人としてはこの話に関しての感想は「餅は餅屋に任せた方がいいんじゃねえかな…」でした。音楽表現についてはそっちの専門家呼んだらどうですかね…いや「フィギュアスケートという競技」の餅屋が専門のジャッジであることは重々わかっておりますが、でもこの餅屋って砂糖醤油にはやたらと評価が厳しいな!?みたいなこともあるじゃーん。まあ俺は砂糖醤油ガチ勢なのでもりもり食うけどさ。


…話の着地点はどこだ!!!


えーと客が煮込みうどん好きだろうと讃岐うどん好きだろうときしめんが好きだろうと自由、だけどもうどん対決の審査員が求めているものがどこらへんなのかわからんのは困るよねって話だ。そういう話だ。そして俺は柔らかく煮込んだうどんと砂糖醤油の餅が好きだし高橋大輔のブルースはもうたまらなすぎて脳汁ドバドバ出ちゃうようどんが煮込めるほど。そういう話だ。いいな?


教訓:夜中に腹減った状態で文章を書くな